ST-12 (軟鋼及び50キロ高張力鋼の低電流溶接用)

JIS Z 3312 YGW-12 AWS A5.18 ER70S-6

使用特性

低電流（短絡移行域）でアークの安全性が良好で、スパッタも少なく溶接作業が良好です。 薄板の溶接や全姿勢溶接に適した炭酸ガスアーク溶接ワイヤです。 溶着金属の湯流れが良いので高速溶接にも適します。 また、耐割れ性に優れるため片面溶接、特に初層には最適です。
ST-12 (1.2mm)の商品写真

ST-12 (1.2mm) のケース

ST-12のペールバック

用途

自動車、車両、鉄骨、軽量形鋼パイプなどの各種構造物の突合せすみ肉及び、重ね全姿勢溶接。

取扱いワイヤ径及び巻数

ワイヤ径(mm) 0.8 0.9 1.0 1.2
 
巻数(kg)		 10 ○ ─ ─ ─
20 ─ ○ ○ ○
200 ─ ─ ○ ─
250 ─ ○ ─ ○
300 ─ ─ ○ ○

溶着金属の化学成分の一例 (%)

シールドガス C Si Mn P S
CO2 0.07 0.9 1.47 0.013 0.004

溶着金属の機械的性質の一例(シールドガス:CO2)

 降伏点引張強度伸び吸収エネルギー
kgf/mm2 (N/mm2)kgf/mm2 (N/mm2)(%)kgfm (J)
溶接のまま47 (460)55 (540)3114 (140)
625℃×1h37 (360)50 (490)3416 (160)

製造寸法及び適正電流範囲　DC(+)

ワイヤ径 (mm) 0.8 0.9 1.0 1.2
電流範囲(A) 下向 50～180 50～200 70～250 140～350
上向 50～110 50～120 50～150 50～180
立向上進 50～130 50～120 50～150 50～180
立向下進  50～180 50～200 50～220 50～240
 

使用上の注意事項

1. 炭酸ガスは、JIS3種または、溶接用炭酸ガスを使用してください。
2. 風のある所では、ブローホールが発生することがありますので防風対策を行って溶接してください。
3. シールドガスの流量は20～25l/min程度が適当です。
4. 溶接箇所の錆、汚れ、水分などを除くように十分に管理を行って下さい。
5. チップと母材間の距離は溶接電流250Amp以下では15mm前後、250Ampを超える場合は、20～25mm程度に保って下さい。